しばらくぶりに再会した友人と、お互いの近況について語り合う機会がありました。
「物事が順調に進むこともあれば、何をやってもうまくいかないこともある。うまくいかないときはそこから逃げることなく、でも、必要以上に自分を責めたり落ち込みすぎたりすることもなく、静かにじっとこらえることが大切だと感じている。そういう時間にこそ、自分が成長することができる」という友人の言葉に励まされ、お互い仕事や立場は違っても大いに共感し合いました。
旧約聖書・ヨブ記は、「苦しみ」について私たちに多くの示唆を与えています。
人は暗黒の果てまでも行き/死の闇の奥底をも究めて鉱石を捜す。
地上からはるか深く坑道を掘り/行き交う人に忘れられ/地下深く身をつり下げて揺れている。
食物を産み出す大地も/下は火のように沸き返っている。
鉱石にはサファイアも混じり/金の粒も含まれている。
猛禽もその道を知らず/禿鷹の目すら、それを見つけることはできない。
獅子もそこを通らず/あの誇り高い獣もそこを踏んだことはない。
だが人は、硬い岩にまで手を伸ばし/山を基から掘り返す。
岩を切り裂いて進み/価値あるものを見落とすことはない。
(旧約聖書・ヨブ記28:3~10)
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」
これは、シドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト高橋尚子さんが、高校時代の恩師の中沢正仁先生から送られた言葉だそうです。先の聖書の言葉と重なる部分があるように思いました。
逆境の日にも、腐らず諦めず、そこに踏みとどまって人生を掘り下げられる力と希望を、神様からいただきたいと思います。
※写真は、実家で父が育てたバラの花です。
セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋