卒業、転勤、就職…。春は旅立ちと別れの季節です。
先日、息子が3年間学んだ中学校の卒業式に出席しました。心身共に成長させていただいた我が子の姿を見て、胸が熱くなりました。そして卒業生だけでなく、保護者・在校生、先生方までもが涙を流しながら別れを惜しみ、門出をお祝いしてくれる姿を見て、またまた胸が熱くなったのでした。
かわいい子犬が、いつまでも子犬のままではないように、子どもたちも少しずつ成長して親元から巣立っていきます。それは一抹の寂しさを覚えることですが、一人一人が成長し、一人の人間として自立していくために必要なプロセスです。
卒業式の後の謝恩会で校長先生が紹介された聖書の言葉が心に響きました。
見よ、わたしは新しい事をなす。
やがてそれは起る、あなたがたはそれを知らないのか。
わたしは荒野に道を設け、さばくに川を流れさせる。
(旧約聖書 イザヤ43:19 口語訳)
「新しい事」が始まるとき、それはこれまで慣れ親しんできたものとの「別れのとき」でもあります。別れは寂しいことですが、そこから荒れ野に道が開け、さばくに水が流れるような素晴らしいことが始まるときなのです。
新しい旅立ちをする人、それを見送る人、慌ただしさの中で様々な思いが行き交う季節です。神様が与えてくださった出会いに感謝しつつ、それぞれに与えられている道をしっかりと歩んでいきたいものです。
セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋