神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。
(旧約聖書 創世記1:31・新共同訳)
美術大学の卒業制作展を見学する機会がありました。日ごろなかなか触れる機会のない大学のキャンパスや作品を見学して有意義な時間を過ごすことが出来ました。
それぞれの作品には、制作者がどんな思いを込めて制作にあたったのか、解説の文章が添えられており、それを読みながら作品を見ることで、作品や制作者の思いを知ることが出来て非常に興味深く感じました。会場で頂いたパンフレットにこのような言葉が書かれていました。
「(この制作展は)単なる作品展示の場ではありません。同時にそこは、これまでの学修成果が最終的に評価される真剣勝負の場でもあります。そのような空気を感じながら、私たちの造形活動を是非ご覧ください。」
「ものをつくる」ということは、真剣勝負であり、「つくられたもの」には作者の熱い思いが込められています。「土の器」という讃美歌の中に、次のような言葉があります。
私たちは土の器 あなたの思いを込めて造られた
私たちは土の器 あなたの光で輝く器
どうかわたしが 自分を嘆かぬように
あなたに造られた その意味を忘れぬように
(作詞・作曲:若林栄子『土の器』より)
私はこの「あなたの思いを込めて造られた」という歌詞に何度も慰められました。
自分で自分自身のことをどのように感じていようとも、「わたしは神様が思いを込めて創造された作品なのだ」ということを思い出させてくれるからです。
私たちの人生には、ひどい失敗に打ちのめされたり、全く自信を失ってしまうような日があります。しかし、神様がわたしを「思いを込めて造られた」ことを思い出すとき、心に希望が湧いてくるのです。
セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋