長い間離れていたヨセフさんと兄弟家族は無事に再会を果たし、みんなでエジプトの地に移り住むことができました。
この再会のきっかけとなった出来事は、王様が夢でお告げを受けた大きな飢饉というものでした。
ヨセフさんの政策によってこの飢饉を乗り切っていたエジプトの国でありましたが、やはりこの飢饉はとても大きなものでした。
飢饉が極めて激しく、世界中に食糧がなくなった。エジプトの国でも、カナン地方でも、人々は飢饉のために苦しみあえいだ。(創世記 47:13 新共同訳)
飢饉に直面することで、経済的にも難しい状況が生まれます。そこで、エジプトの人たちからこんな声があがりました。
エジプトの国にもカナン地方にも、銀が尽き果てると、エジプト人は皆、ヨセフのところにやって来て、「食べる物をください。あなたさまは、わたしどもを見殺しになさるおつもりですか。銀はなくなってしまいました」と言った。
(創世記 47:15 新共同訳)
このような大変な状況においても、神様に知恵を頂いたヨセフさんの政策はとても賢いものでした。
ヨセフは答えた。「家畜を連れて来なさい。もし銀がなくなったのなら、家畜と引き換えに与えよう。」
(創世記 47:16 新共同訳)
家畜という大切な財産まで手放さなければならないのかという一見酷な条件に思えてしまう提案でしたが、この後エジプトの人々がこの提案に従ってヨセフさんのところへ家畜を連れて来たということを考えると決して酷な条件ではなかったということがわかります。
ヨセフさんは、国の指導者としてこの困難な状況において、誰かが得をして誰かが損をするという政策ではなく、国も国民も互いに助け合い、利益を得ていくことができるような政策を進めていきました。
神様から知恵を頂きながら物事を進めていくことの大切さをヨセフさんを通して学ぶことができる局面でした。