ヨセフさんは、エジプトに連れて来られてから紆余曲折の歩みを送っていましたが、遠く離れた故郷では、愛する息子はもうこの世にはいないと聞かされていた父と、ヨセフさんへの妬みゆえにそのような嘘をついて奴隷として売り飛ばしてしまった兄たちが暮らしていました。
ヨセフさんはエジプトの地で大飢饉のときをむかえていましたが、その飢饉は例外なく故郷の家族たちにも襲い掛かってきていました。
そこで、父と兄たちはある計画を立てました。
ヤコブは、エジプトに穀物があると知って、息子たちに、「どうしてお前たちは顔を見合わせてばかりいるのだ」と言い、更に、「聞くところでは、エジプトには穀物があるというではないか。エジプトへ下って行って穀物を買ってきなさい。そうすれば、我々は死なずに生き延びることができるではないか」と言った。そこでヨセフの十人の兄たちは、エジプトから穀物を買うために下って行った。(聖書 創世記42:1–3 新共同訳)
彼らの計画は、飢饉に見舞われた世界中の人たちが行っていたことと同じものでした。それが、エジプトに食糧を買いに行くということでした。
この時、こんな大きな飢饉にも関わらず、エジプトに穀物がある理由がヨセフさんの政策によるものだということを知る由もありませんでした。
そして、自分たちが今から向かうエジプトの地でヨセフさんの顔を見ることになるということを予想すらしなかったことと思います。
勿論、ヨセフさんもそのようなことは頭になかったこと思います。
しかし、神様は、この大飢饉を用いて、お互いに再開することを諦めていたであろう離れ離れになった家族を再び引き合わせようとしておられました。このように、神様の御計画の壮大さにはいつも驚かされるばかりです。
かつて恨み恨まれた兄弟の再会は、どのようなものとなっていくのでしょうか。