ヨセフさんは、悩める2人の役人の夢を聞き、神様が解き明かされた内容をそれぞれに伝えました。
まず、給仕長が見た夢の解き明かしはこうでした。
「三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて、元の職務に復帰させてくださいます。あなたは以前、給仕役であったときのように、ファラオに杯をささげる役目をするようになります。」(聖書 創世記 40:13 新共同訳)
そして、料理長の見た夢の解き明かしはこうでした。
「三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて切り離し、あなたを木にかけます。そして、鳥があなたの肉をついばみます。」(聖書 創世記 40:19 新共同訳)
片方は元の職に戻り、片方は頭を切り離される、つまり処刑されてしまうというものでした。
さて、ヨセフさんは、給仕長の夢を解き明かした際に、このようなお願いをしていました。
「ついては、あなたがそのように幸せになられたときには、どうかわたしのことを思い出してください。わたしのためにファラオにわたしの身の上を話し、この家から出られるように取り計らってください。 わたしはヘブライ人の国から無理やり連れて来られたのです。また、ここでも、牢屋に入れられるようなことは何もしていないのです。」(聖書 創世記 40:14-15 新共同訳)
ヨセフさんは、王様に仕えるために復職すると夢で示された給仕長に自分の身の潔白を証明してもらうようにと望みをかけて託しました。
そして、いよいよ運命の3日目がやってきました。ある意味ではヨセフさんの運命もかかっている日でもありました。
「ファラオは給仕役の長を給仕の職に復帰させたので、彼はファラオに杯をささげる役目をするようになったが、料理役の長は、ヨセフが解き明かしたとおり木にかけられた。ところが、給仕役の長はヨセフのことを思い出さず、忘れてしまった。」(聖書 創世記 40:21-23 新共同訳)
牢獄から解放された喜びからか、残念ながらヨセフさんの願いは忘れ去られてしまったのでした。
しかし、この後、「夢の解き明かしは神様がなさること」として神様の栄光をあらわしたヨセフさんに、もう一度大きなチャンスが訪れることとなります。人が忘れてしまっても、神様は決して忘れることはありません。