助けてください!

新年度がスタートしようとしています。「春は旅立ちの季節」と頭では理解していながら、先週までここにいた人が新しい場所に旅立ち、また他の人からも「引っ越しました」と連絡が来たりすると「いよいよ新しい年度が始まるんだな~」と実感させられます。

今期(4月~6月)、私たちの教会では安息日学校で「ペトロの手紙Ⅰ・Ⅱ」を学びます。今週は、これらの手紙を書いたペトロがどんな人物だったのかを振り返りました。ペトロが嵐の湖で、水の上を歩いてイエス様のもとへ行こうとしました。しかし、強い風に気づいた彼はイエス様を見失い、溺れそうになります。その場面について、このような説明がされていました。

しかしイエスは、ペトロが無力感の中で、「主よ、助けてください」(マタイ14:30)と叫ぶ以外に何もできない状態になることをお許しになりました。…私たちは主の力を信じ、強い信仰で物事を始めることができます。が、恐ろしい状況がやって来るとき、イエスがペトロに言われた言葉を思い出さねばなりません。「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」(マタイ14:31)。(安息日学校聖書研究ガイド『わたしの羊を飼いなさい』7ページより)

何かに向かって新しい気持ちで出発をするとき、逆風や荒波に襲われることがしばしばあります。人生に浮き沈みは付きものです。しかし私たちは人生の嵐の中でこそ、心の底から「主よ、助けてください!」と叫ぶことの大切さを学ぶことができるのかもしれません。新しい場所で新しい出発をする方、あるいはこれまでと同じ場所でこの4月を迎える方にも、イエス様の守りとお導きが豊かにありますように。

セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋

※開花間近の八王子市内片倉城址公園の桜です。