春を待ち望む

プランターに植えたビオラの花の間から、今年もチューリップの芽が顔を出しました。一番寒さの厳しいこの季節にチューリップは土の中で生長し、地面に芽を出します。私は毎年その姿を見ると何とも言えない愛おしい気持ちにさせられます。励まされます。チューリップはあたたかくなったから発芽するのではありません。厳しい寒さの最中に土の中で育ち、芽を出すのです。彼らは私たちに春がもうすぐそこまで来ていることを知らせてくれます。春を待ち望むこの季節に、神様は20170225春を待ち望む様々な植物を通して私たちに「待ち望む」ということの大切さを教えてくださっているのかも知れません。

神を待ち望んだ人々は、待つに値する約束が与えられていました。彼らは、種から生長し始めた芽のように、自分たちの中で動き始めた何かを受け取ったのです。このことはとても重要です。というのは、人が本当に待つことができるのは、待ち望んでいることが、すでに自分たちの中で始まっている場合にのみ可能だからです。…待つことの秘訣は、種はすでに蒔かれており、そこに何ごとかが始まっていると信じることです。

(ヘンリ・ナーウェン『待ち望むということ』より)

私たちの人生には、待ちくたびれるような出来事、なかなか期待しているような結果が出ずに途方に暮れるようなことがたくさん起きます。しかし、聖書は私たちに「主を待ち望むことの力」を約束しています。


しかし主を待ち望む者は新たなる力を得、わしのように翼をはって、のぼることができる。走っても疲れることなく、歩いても弱ることはない。

(旧約聖書 イザヤ40:31 口語訳)


厳しい寒さの中にあっても、植物が春に向けて着実に生長するように、私たちがそれぞれに置かれた厳しい現実の中にあって、神様からの希望を見いだすことが出来ますように。

セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋