待ち望む人

イエス様誕生の場面にシメオンとアンナという2人の老人が登場します。彼らはいずれも信仰熱く、神様に忠実に生きてきた人たちでした。彼らは約束の救い主、イエス様の誕生という歴史的な出来事の証人となりました。

シメオンとアンナについて、ルカによる福音書2章に記録されています。その箇所を読んでみると、この2人に共通する一つのキーワードがあることに気づかされます。


  • シメオン:「その時、エルサレムにシメオンという名の人がいた。この人は正しい信仰深い人で、イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた。また聖霊が彼に宿っていた」(25節)。
  • アンナ:「この老女も、ちょうどそのとき近寄ってきて、神に感謝をささげ、そしてこの幼な子のことを、エルサレムの救を待ち望んでいるすべての人々に語りきかせた」(38節)。

(下線は筆者)


シメオンは自分だけでなく、イスラエル全体が慰められるのを待ち望む人でした。そしてアンナも、約束の救い主と出会ったとき、その喜びの知らせを、救いを待ち望む人々に語り伝えました。

彼らはいずれも「待ち望む人」でありました。過去にとらわれ、将来を見通せなくなるのではなく、神の約束を信仰によってしっかりと握りしめ、約束の実現を待ち望んでいたのです。

旧約聖書イザヤ書にこのような言葉があります。


 しかし主を待ち望む者は新たなる力を得、わしのように翼をはって、のぼることができる。走っても疲れることなく、歩いても弱ることはない。

(旧約聖書 イザヤ40:31 口語訳)


クリスマスが近づいてきました。救い主の誕生を待ち望みつつ、他者を祝福する豊かな生き方をした2人の信仰者に倣う者となりたいものです。

セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋20161203%e5%be%85%e3%81%a1%e6%9c%9b%e3%82%80%e4%ba%ba

※写真は広島三育学院高校チャペルの十字架と朝焼けです(10月31日撮影)。