兼務している八王子教会では、この4月から「みことば配布プロジェクト」を始めました。これは教会員の皆さんが思い思いの聖書の言葉をカードに書き、それを「神様、今日この聖書の言葉を必要としている方と出会わせてください。」という祈りを込めて道行く人たちに手渡す、という活動です(甲府でも同様の活動をしてみたいと思っています)。
「そんなことをしても効果がないのではないか」「ポケットティッシュだってなかなか受け取らないのに、カードを受け取る人がどれほどいるのか」…などなど、心の中に疑念が湧かなかったわけではありません。この活動は、3月に行われた青年部の行事の「街を行き交うたくさんの人たちに、自分に出来ることをやってみよう」というプログラムの中で、一人の高校生の提案から始まりました。正直言うと私も出て行って知らない人にカードを手渡しするのは不安でした。でも、自分たちが信じている神様の言葉を伝えるために出て行くとき、教会の中にとどまっていては出来ない体験をたくさんすることが出来ると実感しています。出て行くことが不安になるとき、次の聖書の言葉に心励まされています。
風向きを気にすれば種は蒔けない。雲行きを気にすれば刈り入れはできない。…朝、種を蒔け、夜にも手を休めるな。実を結ぶのはあれかこれか/それとも両方なのか、分からないのだから。
(旧約聖書コヘレトの言葉11:4,6 新共同訳)
街に出て行ってカードを配ることは出来なくても、ご自宅でカードに聖書の言葉を書いて持ち寄って下さった方々もおられます。集められた様々な筆跡の手書きのカードを見て、色々な方の思い・信仰・祈りがこうして集められているのだと感じ、嬉しくなりました。
この一枚のカードが、受け取って下さったどなたかの心の中で実を結ぶことを祈りつつ、種を蒔き続けたいと思っています。
セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋