先週の記事で、目の前の困難があまりに大きいとき、私たちは自分で自分を弱くちっぽけな存在に思いこんでしまうことがあるのではないか?というようなことを書きました。セルフイメージが低くなるということは、本当に苦しいことです。
私たちのセルフイメージを低くするものが他にもあります。それは周りからの攻撃です。「お前はだめな人間だ」と周りから言われ続けていると、やがてはその声が自分自身の声になってしまい、「自分はだめな人間だ」という思いにとらわれてしまうのです。
イエス様は十字架につけられる前、大祭司や総督ピラトから厳しい尋問を受けました。偽りの証人が立てられ、不利な証言が寄せられましたが、イエス様はそれらの声に屈することはありませんでした。
さて、イエスは総督の前に立たれた。総督がイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」と言われた。
(新約聖書 マタイによる福音書27:11 新共同訳)
「それは、あなたが言っていることです」(注:口語訳は「そのとおりである」と訳しているが、新共同訳がより原意に近い)という言葉は、中傷や非難の声にどのように向き合うべきかを身をもって示されたイエス様の教えのように私には思えます。
どんなにひどいことを言われたとしても、穏やかな気持ちで「それは、あなたが言っていることです」と静かに答えることが出来るようになりたいな、と思います。相手を憎むのでも、自分を卑下するのでもなく。聖書は、神様が私たち人間にどれほどの価値を認められたかをはっきり教えています。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。
(旧約聖書 イザヤ43:4 新改訳)
※写真は晩秋の妙高山です(2011年11月撮影)。
セブンスデー・アドベンチスト甲府キリスト教会 牧師 伊藤 滋